よみがえる軍艦島 35年ぶりに脚光

 長崎市沖に浮かぶ軍艦島(正式名・端島)。「九州・山口の近代化産業遺産群」の一つとして、昨年、世界遺産国内候補地となり、今春には観光客の上陸も可能になるなど、再び脚光を浴びようとしている。1974年に閉山し、今年で35年。廃虚となったこの島に心向かわせるものとは何か。島と、その姿に思いを寄せる人々を見つめた。  島の“鼓動”は、静かに刻まれていた。「緑なき島」と呼ばれた軍艦島。島民は本土から取り寄せた土をバケツリレーで運び、高層住宅の屋上に「青空農園」をつくった。その緑は、今も与えられた命をつないでいる。 日本初の鉄筋コンクリートアパートなど特徴的な島影をかたどった高層住宅群。鉄筋がむき出しになり、壁や床が抜け落ち、映画館はレンガのがれきと化していた。身震いするような建物群が迫る中、島中央部の高台では、草木がうっそうと生い茂り、折れた柱や窓の木枠で埋もれた部屋に向かって伸びる木もあった。校庭だった広場には、黄色い小花が揺れていた。 日本の近代化の礎となり、経済成長とともに繁栄を享受し、時代に棄(す)てられ、人間の営みを失おうとも、島は確かな生命力を見せつけた。春、再び人々を迎え入れる。

2009年1月1日  読売新聞)
2009年1月1日  読売新聞)



2009年1月3日  読売新聞)


2009年1月4日  読売新聞




2009年1月5日  読売新聞)