下関・世界遺産シンポジウム

山口新聞2月2日朝刊より
田川シンポジウム
長崎新聞2月4日朝刊より
田川シンポジウム

西日本新聞2月4日朝刊より

田川の「二本煙突」「竪坑櫓」世界遺産目指しシンポ国際保存委事務局長が講演

英国の世界遺産を紹介するスミス事務局長

 「炭坑節」に歌われた田川市の旧三井田川鉱伊田坑跡に残る「二本煙突」と「竪坑櫓(たてこうやぐら)」の世界遺産登録を地域ぐるみで後押ししようと、「世界遺産田川シンポジウム」が3日、県立大講堂で開かれた。産業考古学の権威で国際産業遺産保存委員会のスチュアート・スミス事務局長が講演し、「世界遺産登録は九州全体の利益になる。地元の『炭鉱コミュニティー』の誇りがあれば成功するだろう」と語った。

 「二本煙突」は2本とも高さ約45メートル。「竪坑櫓」は高さ約23メートルの鉄骨造り。いずれも1908〜09年に完成し、2006年11月、所有者の三井鉱山(東京)から田川市が無償譲渡を受けた。07年10月に国の登録有形文化財になり、世界遺産登録を目指す「九州・山口の近代化産業遺産群」にも加えられた。

 こうした中、シンポジウムは地元の世界遺産登録や保存運動の機運を高めようと、同シンポジウム実行委員会(委員長=名和田新・県立大学長)が企画。市民ら約450人が参加した。

 スミス事務局長は世界最古の鉄橋のある英国・アイアンブリッジ渓谷を世界初の産業遺産として世界遺産登録させた実績があり、登録の経緯などを説明。渓谷の保存について「鉄橋だけでなく、教会や当時の住居、習慣などの歴史、文化を含む街全体を保存することが大切」と持論を述べた。

 「二本煙突」「竪坑櫓」など九州・山口の近代化産業遺産群については「日本の近代化を支え、誇れるものだが、どの地域がどのように世界遺産にふさわしいか、しっかり皆さんで検討すべき」と指摘した。

 この後、都市経済評論家の加藤康子さんをコーディネーターに「パネルディスカッション」が開かれ、文化庁の世界遺産登録・国内候補リスト入りを目指している同産業遺産群のあり方などを探った。(木崎俊勝)

2008年2月4日  読売新聞)