軍艦島の魅力を一冊に 後藤長大大学院教授ら新刊

 長崎大大学院の後藤惠之輔教授と、特定非営利活動法人(NPO法人)「軍艦島を世界遺産にする会」の坂本道徳理事長が共同執筆した長崎新聞新書「軍艦島の遺産―風化する近代日本の象徴」が十二日、発刊される。

 「軍艦島」は長崎港の南西約一七・五キロにある旧西彼高島町(現長崎市)の端島(はしま)で、かつて炭鉱で栄え、約五千人が暮らした。鉄筋コンクリートの高層アパートがそびえ、その人工的な姿から「軍艦島」と呼ばれた。

 「軍艦島の入門書」として書かれた同書は四部構成。日本の炭鉱の歴史に触れ、島の歴史や島民の生活に焦点を当てた。

 また、人工島づくりやコミュニティーづくりなど「軍艦島学」とも言うべき学術的価値の高さを紹介。世界遺産の登録手続きの道も示した。

 現在、廃虚と化した端島について「世界的に貴重な海底炭鉱遺産であると同時に、日本近代化の象徴として歴史・文化的に価値が高い」とした。

 後藤教授は「写真集を除き、軍艦島について本格的に書かれた初の本。今まで島を見たことのない人も、島を見に行こうとの思いに駆られるのではないか」と話している。

 二百二十四ページ、千円(税込み)。