軍艦島などをアジア初の世界産業遺産に 萩でシンポ

 長崎の軍艦島(高島炭鉱の端島)や小菅修船所(日本初の造船所)、福岡の三井三池炭鉱、萩反射炉(幕末の長州藩の溶鉱炉)などの世界遺産登録を目指す九州・山口の自治体やNPOの関係者ら500人が3日、山口県萩市で「世界遺産萩シンポジウム」を開き、九州・山口の近代化産業遺産群を世界遺産にする会を発足させた。

 先月の文化庁での決定では、国内暫定リストへの記載は継続審査となったが、産業遺産の登録は欧州の32件だけでアジアからは1件もないだけに、関係者はアジア初の登録を目指し、今後、地域ぐるみの運動を起こすことを確認する「萩宣言」を採択した。

 シンポジウムには、産業遺産分野では世界第一人者のニール・コソン卿(英国)や世界遺産登録に強い影響力を持つスチュアート・スミス氏らが参加。コソン卿は「一つ一つの遺産は大きいものはないが、数珠玉のようにつながればストーリーが生まれ、幕末から明治を経て日本がアジアで一番に経済大国になった歴史をみることができる」と話した。

 スミス氏は「ユネスコは産業景観を重要視しているので景観を大切に。軍艦島に欧州人として初めて上陸したが高層住宅だけでなくパチンコ店や病院も残っており素晴らしい」と語り、両氏とも「世界遺産にする会」の発起人に名を連ねた。

(2007/02/04 03:07)

産業遺産群を評価 山口で世界遺産シンポ
鹿児島など視察の英専門家
(02/04 07:26)

産業遺産の保存活用の取り組みが紹介されたパネルディスカッション=3日午後5時15分、山口県萩市民館 文化庁の世界文化遺産国内暫定リスト入りが継続審査となった九州・山口の近代化産業遺産群の価値を認識する「萩シンポジウム」(南日本新聞社など後援)が3日、山口県萩市の市民館で開かれ、世界遺産登録をめざして連携を強化することを申し合わせた。
 市民約500人が参加。産業遺産分野では世界の第一人者でイングリッシュ・ヘリテージ総裁のニール・コソン卿が基調講演。「この機会に鹿児島、長崎、萩の遺産群を見て回ったが、一つ一つの規模は大きくなくてもつなげて見ると大きなストーリーになる。特に幕末から、どういうふうに日本が経済大国になっていったかを見ることができる意義ある重要な遺産群だ」と強調した。
 パネルディスカッションには6人が各地での保存活用の取り組みを紹介。島津興業(鹿児島市)の島津公保社長は、薩摩藩の集成館事業が日本の急激な近代化に果たした役割の大きさを説明し、「“薩摩ルネッサンス運動”としてさらに研究を深め、情報発信していく」と語った。
 最後に、民間サイドから世界遺産登録を支援する組織の創設などうたった萩宣言を採択した。
 国内暫定リストに共同提案した自治体は今後課題を修正し、来年度のリスト登録に向け文化庁に再提案する。
世界遺産 萩シンポジウム