“へろへろ行こう” 描いたCG80作2004年12月20日朝日新聞より抜粋

 20年前の交通事故で車いす生活を送る後藤英明さん(42)=長崎市深堀町=が、毎月、自分のホームページ(HP)「へろへろ行こう!」で新作のコンピューターグラフィック(CG)作品を紹介している。今年は第23回肢体不自由児・者の美術展(日本肢体不自由児協会主催)で最高賞の一つ、厚生労働大臣賞も受賞する活躍ぶり。

  「どこまでも」行きの路面電車、航海する軍艦島、桜吹雪の舞う島原城、チューリップが満開のハウステンボス……。HPには、主に県内の風景やイベントを題材にしたやさしい色調のCGが80作以上並ぶ。

  車いすでは行動範囲が限られるため、写真を参考に描くことが多い。1作に約2週間。頭に浮かんだストーリーを絵にする。

  受賞作は、車庫に入っているレトロ電車に雪が降り積もる景色を描いた「雪の朝」。車庫近くで雪だるまを作った子どもが翌日見に行くと、雪だるまが運転席に乗っていた、という設定だ。

  後藤さんは84年、交通事故に遭い、首から下が不自由になった。東京で働いていたが、会社の夏休みに伊豆で高校の友人たちとサイクリングを楽しんでいるときだった。

  手術を受け、リハビリに励んだ。

  2年半の入院生活の後、静岡県伊東市の重度障害者の施設へ。そこで絵と出会った。施設にいた5年間、思うように動かない指に絵筆をはさみ、週1日は必ず描いた。

  長崎出身の父親が定年を迎えた92年、両親と長崎へ。リハビリで長崎市のもりまちハートセンターに週2回通ううちに、次はセンターの機関誌をパソコンでつくり始め、表紙の絵をCGで描くことに没頭するようになったという。

  トラックボール式のマウスを使うと、手のひらや指を動かしてイメージ通りに絵が描けた。

  「悩んで動けるなら悩む。でも、そんなことはあり得ない。くよくよ悩んでもしょうがない」。そう前向きに考え、割り切ってきた後藤さんだったが、「体が自由にならなくて悔しい」という思いが芽生えた。簡単には会場にも行けず、来てくれた人から直接意見も聞けない。自分の無力さに唇をかんだ。

  そんなとき、支えてくれたのが、HPの新作に毎月感想を寄せてくれる全国の後藤ファン。「本当に励みになる。これからも、へろへろ生きるよ」と、笑顔で語った。

 
[後藤さんのメッセージ]
「軍艦島」
私が前から描きたかった題材の一つです ただ、海上の為になかなか資料が 手にできないでいたのでした
ちゃんとした名前は「端島」無人島 160m×480mのこの島は 大正5年に日本最初の鉄筋コンクリート
の高層アパートに 炭坑として最盛期に5000人を超える
人たちが住んでいた 超過密都市
そして、閉山となり もはや人工の島と化した廃墟の姿に
通称「軍艦島」
長崎といえば「出島」 こちらはどこか歴史の彼方
しかし
「軍艦島」の存在感、生々しさは
未来に問いかけているようにも感じます
航海する軍艦島
このCGの無断転載などは禁止します。著作権はすべて
後藤英明さんにあります。当ホームページは後藤さんの許可を得て紹介しております。
あたたかいイメージの端島です。
今の景色であっても今にも窓から手を振る
住民の姿が見えそうです。
今後もさまざまな姿の軍艦島(端島)のCGを描いていただけたらと思います。
他にも後藤さんの作品がこちらから見れます。
今回厚生労働大臣賞も受賞された作品も見てください。